情報教育ジャーナル
Online ISSN : 2433-5703
Print ISSN : 2432-6321
原著論文
動的ソフトウェアによる概念形成の試行
GeoGebra による「角」の指導を事例として
谷 竜太
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 2 巻 1 号 p. 18-24

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抄録

本研究の目的は,「角」概念を題材として,動的ソフトウェアを用いた概念形成のための指導法を考案し,その有効性を明らかにすることである.そのために,まず,概念形成に関するスファードのモデルを参照してそれを「角」概念で具体化する.次に,ICT機器の活用による概念形成に関する先行研究を手掛かりにして,本稿における指導法を考案する.最後に,公立小学校児童84名を対象として,動的ソフトウェアGeoGebraを用いた教授実験を行い,その事前・事後での正答数の変化を検証し,面接調査における発話プロトコルを分析する.結論として,動的ソフトウェアによるアニメーションの閲覧が「角」概念を内面化させ,児童によるソフトウェアの直接操作が同概念を凝縮化することが示唆された。特に,角がその構成する「辺の長さ」に依存しない回転量であることを認識する上で動的ソフトウェア使用の顕著な効果が確認された。

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© 2019 日本情報教育学会

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