2016 年 27 巻 2 号 p. 49-57
島国である日本において、積極的な海洋の活用は不可欠であり、多様な自然とともに地域ごとに様々な形で文化が形成されてきた。しかし現在ではそういった海洋の活用は減り、メディア等で取り上げられることの多い無人島でさえ、その活用については約1 %未満であった。そこで三重県鳥羽市浦村町の無人島である麻倉島において、総合産業としての観光という点に着目し、観光活用案の立案とプログラムの催行を試みた。2012 年から2014 年まで行なわれた調査の結果、積極的な地域資源の観光活用が、地域のみならず参加者へも波及効果を促し、海洋の総合管理を鳥瞰的に行なうことができる結果が示された。