昨今のエコツアーの流行•乱立により、国立公園においても環境保全の観点の抜け落ちたエコツアーの発生や、プログラムが差別化されないことによる「俗化」と観光客に飽きられる「陳腐化」に伴う、集客力の低下が懸念される。本稿では、国立公園におけるエコツアーの定着と発展に向けた情報提供と、持続的運営に向けた観光計画立案の支援を目的に、知床と屋久島の両国立公園を事例として、エコツアーの類型化と役割の整理を行った。また、環境•人材•事業の各観点からエコツアーが地域内で持続的に機能する条件を抽出するとともに、俗化•陳腐化対策としてのプログラムの新設•更新プロセスを整理し、その必要性を示した。