観光研究
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論説
文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律(文化観光推進法)の実務的考察
―ポストコロナ時代のオンライン文化観光整備のためのルール形成―
渡部 友一郎
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ジャーナル オープンアクセス

2021 年 32 巻 2 号 p. 95-100

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抄録

文化観光拠点施設を中核とした地域における文化観光の推進に関する法律(令和 2 年法律第 18 号)は、訪日外国人旅行者の「モノ消費」から、日本文化等を体験する「コト消費」のニーズを充足する切り札であった。文化観光は、観光による交流を一回限りの異文化との出会いに終わらせることなく、継続的な来日を促す効用が期待されている。それは、日本の誇る歴史や伝統に対する知的好奇心を充足し、一層の関心を深く長く喚起できるからである。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大は、訪日外国人を 99.9%以上減少させ、コロナ前に法律が想定したオフライン来訪者を起点とした地域経済の発展は、必然的にコロナ沈静化後に先送りされた。そこで、本稿は、近時隆盛するオンライン体験を念頭に、法第 2 条第 2 項の主務省令を活用し、オンラインを通じた文化資源の解説・紹介を推進し、コロナ沈静化後にオフライン来訪者となる「ファン」の拡大可能性を論じる。

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© 2021 日本観光研究学会
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