抄録
近年、新たな地域再生の形として「生物文化多様性」が提唱され、自然保護を担保しつつ自然資源を活用し地域振興を目指す制度であるユネスコエコパークの登録がこの 10 年程で活発化してきた。しかし、エコパークの理念に沿った地域づくりが現場レベルまで行われているのかは分かっていない。そこで本研究ではわが国 10 カ所のエコパークを通して中山間地域の地域振興に向けた示唆を得ることを目的とし、まず、各エコパークの計画書を用いエコパークの理念を検討した。次に自治体の計画と申請書とを地域別・分野別に比較し地域振興の取組の特徴を明らかにした。最後にケーススタディを行いエコパークの地域振興への効果と課題を考察した。