2024 年 36 巻 3 号 p. 95-104
観光地域づくり法人(DMO)は観光地域づくりの旗振り役として期待されている一方、その活動の中には直接には経済的な成果に結びつかないものも多く含まれ、DMO に対する行政支援の評価には課題がある。本研究では、八ヶ岳南麓地域の地域連携 DMO が実施したガイドツアー造成事業を対象に、社会的インパクトの評価手法の一つである SROI を用いて、社会的価値を含む事業成果の定量化・可視化を試みた。分析の結果、SROI 値は 2.31〜4.34 と算定された。また、SROI はステークホルダーが観光地域づくり活動における協働の質を向上させ、取組みを高度化していく過程で有用となる可能性が示唆された。