地域と共存する宿泊施設になるために経営者に求められる視点

―日本まちやど協会に所属する宿泊施設とその経営者を事例として―

抄録

近年、日本では地域の資源を活用し地域一体で宿泊者をもてなす形態の宿泊施設へ注目が集まっている。本研究は日本まちやど協会に所属する宿泊施設（まちやど）とその経営者を研究対象とし、経営意図や地域との関わり方を明らかにすることを目的とした。経営者は地域の日常を伝えることや交流を大切に活動しており、前職や地域での活動経験、そこでの出会いが宿泊施設運営に活かされていることが明らかになった。これらを踏まえ、地域と良好な関係を築きつつ宿泊施設の経営を行うには、宿泊施設経営を経営者自身の暮らしをより良くする手段として捉え、地域内外で様々な活動を行い、普段から地域住民と関わることが必要だと考察した。