2012 年 21 巻 3 号 p. 232-236
これまで乳房超音波診断はガイドラインを基に,その精度管理が実施されてきた。近年,乳房超音波診断装置のためのファントムが製品化され,統一的な精度管理への機運が高まっている。本研究では,ファントムのターゲット解析ツールの説明と各ターゲットを対象とした評価結果に関して報告する。【方法】ターゲット解析ツールはMicrosoft C#により開発をした。入力画像は,DICOMおよびBITMAPに対応している。ファントム画像は,動画で撮像しframeごとに分割して評価をした。Massターゲット辺縁や後方陰影の影響を避けるため,初期輪郭より80%の領域において上側半分を測定領域とした。これらの領域より10段階のMassターゲットを抽出し,各ターゲットの平均画素値を測定した。【結果と考察】50個のファントムを用いて評価を行い,良好な結果を得ることができた。本手法により,乳房超音波装置のための客観的な精度管理の可能性を示すことができた。