日本乳癌検診学会誌
Online ISSN : 1882-6873
Print ISSN : 0918-0729
ISSN-L : 0918-0729
全国集計報告とプロセス指標設定について
海外の数値目標の紹介
坂 佳奈子 笠原 善郎辻 一郎大貫 幸二鯉淵 幸生古川 順康増岡 秀次森田 孝子村田 陽子吉田 雅行雷 哲明
著者情報
ジャーナル フリー

2016 年 25 巻 1 号 p. 47-50

詳細
抄録

平成20年3月,それまでのがん検診の精度管理は十分でないということで,厚生労働省がん検診事業の評価に関する委員会にて精度管理のあり方が示された。がん検診のアウトカム指標はがん死亡率であるが,中間結果であるプロセス指標が代替指標として用いられている。プロセス指標には,検診受診率,要精検率,精検受診率,陽性反応適中度,がん発見率などが該当する。平成20年に設定されたプロセス指標の目標値・許容値については平成17年度初回のマンモグラフィ検診の成績から算出されており,初回受診者の割合が高く,要精検率,がん発見率および陽性反応適中度については過大評価が考えられ,10年が経過し,現状にそぐわない点も多くなってきた。今回,米国でのACR のThe Breast Imaging Reporting and Data System およびヨーロッパ,カナダなど諸外国のガイドラインで定められた目標値や実際の要精検率,がん発見率などの数値をご紹介する。年代による区分,初回と繰返し受診者の区分など日本にはない区分設定による数字の違いなどもあり,新たな目標値の作成において参考になるデータも多い。今後の目標値設定には組織型検診が確立している他国の精度管理指標を参考にすることも重要と考え,提言していきたい。

著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top