日本乳癌検診学会誌
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がん登録と全国集計報告
第6回全国集計結果報告――2013年度
鯉淵 幸生笠原 善郎辻 一郎大貫 幸二坂 佳奈子古川 順康増岡 秀次村田 陽子森田 孝子山川 卓吉田 雅行雷 哲明
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2017 年 26 巻 1 号 p. 48-57

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抄録

全国集計の趣旨は対策型と任意型両方の,可能な限り多くのデータを収集し,偏りのないサンプルを用いて,受診者の年齢階級別・検査の方法別・検診実施期間別にプロセス指標を算出し比較すること,技術・体制的指標をチェックすることにより検診施設の精度改善を図っていくことである。そのことを踏まえて,第6回全国集計の結果(2013年度分)を報告する。今回の総回答施設数は262施設で,前回の施設数(291)より減少したが,総受診者数は2,249,033人で,登録数は年々増加傾向,特に任意型で増加していた。登録数は,都道府県によるばらつきが大きく,「0」の県(滋賀県,鳥取県)も見られた。検査方法は,若年層では超音波併用が増加し,高齢者では視触診を省略しMG 単独にする傾向が見られた。プロセス指標では,要精検率の低下,精検受診率,陽性反応適中度の上昇が続いていた。今回から精検未受診率の正確な把握のために,精検未受診率と精検未把握率の項目を追加した。未把握率は全体で9.4%と高率で,特に若年者,任意型で高かった。技術体制的指標は,年々精度が向上していたが,受診者への説明,撮影の精度管理,読影の精度管理,システムとしての精度管理,いずれも今回は昨年と同等であった。検診方法が変化していることも踏まえて,項目を見直しながら「技術・体制的指標」を正確にチェックすることにより検診施設の精度改善を図っていくことも全国集計の重要な役割である。

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