日本乳癌検診学会誌
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第30回学術総会/要望演題 マンモグラフィにおけるCBTの臨床的意義
Digital mammography のデータベースの構築と解析:多施設間における CBT の解析
石井 美枝 中村 舞石井 里枝畑田 俊和村上 典子前田 めぐみ岡本 瑠美今田 万里代信太 圭一東田 善治
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2021 年 30 巻 2 号 p. 159-162

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抄録
われわれは,九州圏内の4施設,5機種で撮影したディジタルマンモグラフィの撮影履歴を収集し,技術的な解析のためのデータベースを構築した。この撮影履歴データベースから圧迫乳房厚(CBT)について検討を行った。 収集したのは,825名,2,880枚の画像の撮影履歴データで,そのなかから男性,術後乳房の症例を除いた807名,2,772枚のデータを解析に使用した。受診者の年齢層は22~90歳で,平均年齢は57.4±12.6歳であった。このデータベースを使用して CBT に関する解析を行った。 CBT30~59mm に75%の画像が分布し,この CBT の範囲における乳房構成は,脂肪性が11%,乳腺散在が43%,不均一高濃度が40%,極めて高濃度が6%の割合で存在した。ターゲット/フィルタと管電圧は CBT によって切り替えられていた。平均乳腺線量(MGD)は CBT が厚くなるほど,乳腺密度が高いほど増加し,W ターゲットの MGD は Mo ターゲットより有意に減少した。先行研究では analog mammography において平均 CBT は37.7mm(松本ら),digital mammography において32.3mm(Nishide ら)と報告がある。われわれの結果は,43.3mm と先行研究より厚かった。装置のdigital 化に伴う撮影法の変化が影響したためと考えられる。また MLO が CC より厚いと松本らの報告があるが,このデータベースを使用した中村の報告では CC が MLO より厚かった。
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