日本乳癌検診学会誌
Online ISSN : 1882-6873
Print ISSN : 0918-0729
ISSN-L : 0918-0729
第33回学術総会/ワークショップ3 ブレスト・アウェアネスは普及しているのか
ピンクリボン運動とブレスト・アウェアネス調査分析にもとづく活動展開
高木 富美子
著者情報
ジャーナル 認証あり

2024 年 33 巻 1 号 p. 47-49

詳細
抄録

認定NPO 法人乳房健康研究会ではブレスト・アウェアネス(以下B・A)を普及する目的で2022 年10 月に一般女性を対象にアンケート調査を行った。 B・A に関わる行動を因子分析すると「いつとはなく見たり,触ったり,気にしている」といった「何気ない日常」の中にB・A が存在することがわかった。これを認めて,顕在化させることが普及の鍵である。 この結果をピンクリボン活動に落とし込むにあたり,さらに解析を進めて“乳がんに関する情報接触とコミットメント”の因子分析およびクラスター分析を行った。これにより抽出された因子は「浮遊する情報」と「活動参加」の2つであった。一方,調査対象者は「情報埋没型」(92.7%)と「関与参画型」(7.3%)に分類された。B・A の行動,及び情報接触とコミットメントの2 因子ともに反応が高いのは「関与参画型」である。ロジャースの普及理論に依れば,この層を16%超にすることでB・A は飛躍的な普及が期待できる。 さらに「関与参画型」の属性を調べると,家族や知人・友人にがん患者や乳がん患者がいるとの回答が目立つ。医療機関から患者を介したピンクリボンイベントへの呼びかけが有効と示唆される。

著者関連情報
前の記事 次の記事
feedback
Top