日本乳癌検診学会誌
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検診発見の微細石灰化病変に対する診断方法についての検討
宇佐美 伸大貫 幸二石田 孝宣武田 元博鈴木 昭彦原田 雄功平川 久椎葉 健一大内 明夫渋谷 大助松野 正紀大内 憲明
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2004 年 13 巻 2 号 p. 176-183

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抄録
ステレオガイド下針生検装置をもつ精密検査機関が限られている現段階における検診発見の微細石灰化病変に対する診断方法について検討した。
対象は, 平成13年度宮城県対がん協会のマンモグラフィ併用乳がん検診受診者19,477名中ダブルチェックにおいて石灰化単独でカテゴリー3以上と判定された125例。
カテゴリー3, 4, 5それぞれ102例, 18例, 5例であり, そのうち癌はそれぞれ6例 (6%), 6例 (33%), 5例 (100%) であった。そして, biopsy rateはそれぞれ22%, 78%, 100%であり, 外科的生検は12例に, ステレオガイド下針生検は7例に, 穿刺吸引細胞診は24例に施行されていた。一方, 癌症例17例の診断は, 7例が外科的生検, 4例がステレオガイド下針生検, 6例が穿刺吸引細胞診によりなされた。
外科的生検の陽性反応適中度は58%と高く, 慎重に施行されている現状が把握できた。カテゴリー分類は, 石灰化の悪性度を示す指標として妥当である。したがって判定されたカテゴリーに基づいて生検症例を選択することにより, 不必要な生検を回避することができると考えられた。
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