2005 年 14 巻 3 号 p. 254-258
約20年間に長野県がん検診センターの乳腺外来で精密検査を行った初回受診者7,317人を自覚症状の有無に分けて, 受診時年齢別に乳癌のリスクファクターについて検討し, 以下の結果を得た。
1) 受診時年齢別の乳癌発見率は, 自覚症状有り群の方が無し群より有意に高かった。
2) 自覚症状の有無にかかわらず受診時年齢が高くなるにつれて乳癌発見率が高くなった。
3) 自覚症状の有無にかかわらず血縁の乳癌素因の有無, 初潮年齢, 生産児数および人工流産の有無は乳癌のリスクファクターとして有意な因子ではなかった。