日本乳癌検診学会誌
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アンケート調査によるマンモグラフィ読影講習会の精度管理 [7]
古妻 嘉一遠藤 登喜子岩瀬 拓士宇津野 栄大貫 幸二東野 英利子角田 博子大村 峯夫笠原 善郎川島 博子鈴木 昭彦田村 元藤光 律子増田 慎三森本 忠興
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2006 年 15 巻 3 号 p. 268-283

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抄録

教育・研修委員会では, マンモグラフィ検診における読影医の充足を目的にマンモグラフィ読影講習会 (以下, 講習会) を全国で開催してきた。読影医充足のためには, 読影力の精度向上と維持が必要であり, そのためには読影講習会そのものの精度管理が必要である。この目的のためにアンケート調査を, 大阪1講習会 (平成12年3月) から講習会受講者を対象として開始し, 以後の全講習会で実施してきた。さらに, グレイドアップ試験受験者や講習会参加講師に対してもアンケート調査を行い, 講習会や読影試験における精度管理と教育効果を検討し, 報告してきた。
アンケート調査を行った講習会数は, 平成18年3月31日現在で181講習会に達している。平成15年度31回, 16年度40回, 17年度60回と最近著明に増加している。その反面, 講習会毎の認定取得率が低い講習会も増えている。
今回の報告では, これまでのアンケート調査を行った全181講習会の精度の概要と, 受講者が本格的に増加しだした平成14年度から平成17年度末までの講習会 (151講習会, 回答総数7,208人) の精度に影響を及ぼす受講者側の要因について検討した。前報の報告 [6] から2年余りが経過したが, この間に, 読影試験での認定取得率低下への対応策, 認定更新制を含めた認定基準の見直し, 二方向マンモグラム読影の試験導入などマンモグラフィ検診の実施状況が変わってきた。講習会開催が急増するとともに, 受講者にはこれまで乳がんの診療に関与して来ず, しかも読影数の多い一次検診機関に勤務する医師が受講するケースが増えるなど, 講習会も多くの問題への対応を迫られている。これらの問題を解消していくにあたり, 今後も講習会や試験における精度管理に有用な調査を行うことを目指したい。

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