2020 年 3 巻 1 号 p. 1-8
本稿は,会計データ分析を行うためには,どのようなデータ形式が良いのかという問いに取り組むものである。近年,AI やビッグデータといった情報技術分野のトピックが,会計分野にも広まってきている。今蓄積しているデータを集計・分析すれば,AI やビッグデータの分析に繋がるのかと言われるとそうではない。複式簿記は紙媒体で行われてきたため,その技術も紙で行うことが前提とされている。しかし,大量のデータをコンピュータで処理するならば,データ形式もそれに適したものにしなければならない。XBRL GL はデータの仕様を予め定めて標準化されたものである。XBRL 形式の仕訳データを作成することで,必要なデータを抽出したり集計したりすることが,他の形式よりも正確に行えるようになる。