2021 年 10 巻 1 号 p. 79-83
症例は38歳,男性。アルコール性重症急性膵炎で入院した。治療後も発熱,腹痛が持続し,第12病日のCT検査で胃壁,十二指腸,横行結腸壁の壊死と,周囲への液体貯留を認めた。急性期の開腹手術を避けるため,経皮的ドレナージを先行した。その後,下腹部に感染を伴った被包化壊死を形成したが,第47病日に追加で経皮的ドレナージを行った。全身状態と局所の安定化を待ち,ネクロセクトミーおよび壊死腸管の切除,再建目的で第96病日に手術とし,膵全摘術,胃全摘術(Roux-en Y吻合),胆管空腸吻合術,人工肛門造設術,空腸瘻造設術を行った。術後合併症なく,術後44日で独歩退院した。