Japanese Journal of Acute Care Surgery
Online ISSN : 2436-102X
症例報告
子宮内容除去術によりメッケル憩室を伴う回腸が嵌頓,穿孔をきたした1例
萩原 令彦金 史英増野 智彦石井 浩統渡邉 学浅井 浩司榎本 俊行二渡 信江寺岡 晋太郎斉田 芳久
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 11 巻 1 号 p. 18-21

詳細
抄録
〔要旨〕症例は27歳,女性。分娩1カ月後,近医での子宮内容除去術の際に子宮穿孔をきたし,小腸が子宮内に脱出したため当センター搬送となった。子宮内に脱出した小腸は膣外へ脱出し,緊急手術となった。手術所見では回腸末端から口側50~75cmの回腸が子宮内に脱出,嵌頓をきたし,小腸部分切除術と子宮縫合術を施行した。摘出検体の回腸穿孔部近傍にメッケル憩室を認めた。子宮内掻爬で子宮を全層に損傷し,子宮内へ迷入したメッケル憩室を子宮内容物と誤認し牽引したものと推察された。子宮内容除去術により子宮穿孔をきたし,メッケル憩室が併存していた回腸嵌頓・穿孔の症例報告はこれまでになく,文献的考察を加え報告する。
著者関連情報
© 2021 日本Acute Care Surgery 学会
前の記事 次の記事
feedback
Top