脳卒中
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原著
頭蓋内内頸動脈塞栓性閉塞に対する二連吸引手技を用いた緊急機械的血栓除去術
今井 啓輔濱中 正嗣武澤 秀理徳田 直輝竹上 徹郎中村 優貴横関 恵美大島 洋一巨島 文子牧野 雅弘
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2010 年 32 巻 5 号 p. 447-454

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抄録
【背景および目的】頭蓋内内頸動脈塞栓性閉塞に対する二連吸引手技(RAT)を用いた緊急機械的血栓除去術(EME)の有用性を明らかにする.【方法】当院入院の急性期虚血性脳血管障害連続1105例中のEME実施例を対象とし,背景因子,併用手技,成績を検討するとともに,RAT導入前後での成績を比較する.【結果】EMEは8例で実施され全例rtPA静注禁忌であった.RAT導入後の5例中3例では併用手技なしに完全再開通を得たが,残りの5例では血栓把持術と血管拡張術を併用した.大量血栓回収,backflow出現,完全再開通は,RAT導入前の3例では1,0,0例,RAT導入後の5例では5,5,4例にみられた.重篤な合併症や症候性頭蓋内出血はなく,RAT導入後の完全再開通4例は予後良好(modified Rankin scale≦2)であった.【結論】頭蓋内内頸動脈塞栓性閉塞に対するRATを用いたEMEは有用である.
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© 2010 日本脳卒中学会
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