Japanese Journal of Acute Care Surgery
Online ISSN : 2436-102X
症例報告
肋骨固定用プレートKANI®に伴う肋間神経痛に対してプレート抜去を行い症状緩和し得た1例
鈴木 源川浦 洋征五木田 昌士勅使河原 勝伸清田 和也
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 11 巻 1 号 p. 34-37

詳細
抄録

〔要旨〕KANI®を用いた肋骨固定術後の肋間神経痛に対してプレート抜去を行った症例を報告する。53歳,女性。バイク走行中に転倒し受傷し,当院に搬送された。左多発肋骨骨折,肺挫傷,血胸の診断で入院となった。受傷後23日目に肋骨固定術を行った。術後1カ月後より異物感や体動による側胸部痛が生じ,一部逸脱したKANI®の物理的刺激による肋間神経痛と診断した。内服薬で経過をみていたが,増悪傾向であり,術後12カ月に逸脱したプレート抜去術を行った。軽度の異物感が残存したが,肋間神経痛は改善した。KANI®を含むJudet-like strutsは肋間神経痛を引き起こす可能性があるとされるが,わが国での報告はない。定まった治療法はないが,本症例ではプレート抜去が有効であった。

著者関連情報
© 2021 日本Acute Care Surgery 学会
前の記事 次の記事
feedback
Top