Japanese Journal of Acute Care Surgery
Online ISSN : 2436-102X
原著
当院における外傷性十二指腸損傷の術式の検討
阿久津 智洋遠藤 彰奥澤 平明星 博勝鈴木 啓介伊東 浩次大友 康裕森下 幸治
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2024 年 14 巻 p. 29-36

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抄録
〔要旨〕背景:十二指腸損傷は鈍的外傷の中でも発生頻度が低く,手術や同術期管理の経験を十分に積むことは難しい。外傷性十二指腸損傷について術式と周術期管理を検討した。方法:2002年1月1日より2023年12月31日の期間に当院で外傷性十二指腸損傷に対して手術を実施した症例を後ろ向きに集積した。結果:症例は全8例で,年齢の中央値は46歳,男性が4例(50%),すべて鈍的外傷であった。AAST Gradeは,Ⅲが6例(75%),術式は十二指腸損傷部の単純縫合閉鎖が4例(50%),単純縫合閉鎖と空腸漿膜パッチが2例(25%),肝円索充填術,膵頭十二指腸切除がそれぞれ1例(12.5%)ずつだった。Clavien Dindo Grade3a以上の合併症は3例(37.5%),術後入院日数中央値は60日で,すべての患者が生存退院していた。結論:外傷性十二指腸損傷は単純縫合閉鎖でも対応可能な場合もある。
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