Japanese Journal of Acute Care Surgery
Online ISSN : 2436-102X
原著
本邦のAcute Care Surgeon育成における 外傷外科海外研修の有用性と課題―タイ・南アフリカでの外傷修練の経験から―
長尾 剛至
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2024 年 14 巻 p. 56-62

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抄録
〔要旨〕背景:International rotation (IR)は自国で困難な修練を可能とし外傷外科修練にも有用となりうる。目的:筆者の2カ国3施設での外傷IRを振り返り,有用性を考察する。方法:タイのKing Chulalongkorn Memorial Hospital (KCMH)とKhon Kaen Hospital (KKH),南アフリカのTygerberg Hospital (TH)での研修を検討。結果:KCMHの3週間で6例,KKHの5週間で14例の緊急手術に参加し,鈍的損傷と鋭的損傷が同数だった。THでは半年で102例の緊急手術を実施した。鋭的損傷が多く(84%),その半数以上が銃創であった。計8カ月で122件の緊急手術に参加したが,これは帝京大学での3年分に相当した。結論:外傷IRは集中的に症例を経験でき,Acute Care Surgeonの修練に有用である。修練プログラムの正式なオプションとしての整備が望ましい。
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© 2024 日本Acute Care Surgery 学会
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