論文ID: 15-4
〔要旨〕70歳代,男性。腹痛を主訴に来院,腹部造影CT検査で広範な門脈ガス像と小腸に造影不良域を認め緊急手術を施行した。小腸にまだら状の色調不良を認め,非閉塞性腸間膜虚血症(non-occlusive mesenteric ischemia; NOMI)と診断した。Indocyanine green(ICG)蛍光法で血流評価し,色調不良域を切除,吻合をせずにopen abdomen managementとした。再手術で,ICG蛍光法で血流を確認,腸管吻合を行い閉腹した。術後合併症なく第14病日に自宅退院した。NOMIは致死率が高く,門脈ガスを伴う場合は予後不良とされる。計画的な二期的手術とICG蛍光法を用いて至適な腸管切除を行い良好な転機をたどった1例を報告する。