日本応用動物昆虫学会誌
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トウホクノウサギの生態に関する研究
第2報 母兎の妊娠期間と仔兎の成長について
大津 正英
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1966 年 10 巻 2 号 p. 84-88

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抄録

1963年5月から1965年9月までトウホクノウサギを野外で採集するとともに,飼育実験を行ない妊娠期間と出生後の成長について調査した。妊娠例数は12,出生後の成長調査頭数は90であり,調査結果はつぎのとおりである。
1. 出産例数は12であり,その中8例について交尾から出産までの日数を知ることができた。その日数は42∼44日であり,満42日と推定されカイウサギに比べかなり長い。
2. 本種は交尾の刺激によって排卵が起こるものと繁殖実験より推察される。
3. 本種の出生後の成長経過はつぎのとおりである。体長および体重:体長は生後約200日,体重は約260日成長を続け,それぞれ約49cm,約2,600gとなりそれ以後はほぼ一定となる(第1図)。耳長および後足長:耳長は体重約2,300g後足長は体重約2,100g程度まで成長を続け,それぞれ約8cm,約15cmとなりそれ以後は一定した値を示す(第2図)。頭骨長および頭骨幅:それぞれ体重約2,300g,約1,800g程度まで成長を続け,約9.2cm,約4.5cmとなりそれ以後はほぼ一定した値を示す(第3図)。

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