抄録
屋外の網室内で継代飼育したヒシモンヨコバイの第2, 3回成虫を用いて,口針挿入や歩行,飛しょう等の活動の日周期性について調査した。
ヒシモンヨコバイ成虫は第2回成虫期には夜明け前後と夕刻から夜半前にかけての2回に口針挿入や歩行,飛しょう等の活動が認められる薄明時(たそがれ時)活動型で,双峰型の日周期性を示した。約1,000ルックス以下の明るさで活動がみられ,飛しょう行動は約1ルックスから200ルックスの比較的狭い範囲で行なわれた。夕刻から夜半前にかけての諸活動は明け方のそれよりも活発で,早朝では,低温により活動が抑制されているものと思われる。
第3回成虫期には朝,夕の低温による活動の抑制により,夕刻または日中に活動が認められる単峰型の日周期性が観察された。