抄録
電子顕微鏡を使用して,顆粒病ウイルス感染コナガにおける細胞小器管微細胞構造の変化を観察した。
ウイルス感染脂肪体細胞の細胞小器管には著しい変化が認められた。粗面小胞体は多層渦巻き状に変形し,ミトコンドリアはクリステの損傷を伴い丸く膨潤した。感染が進行するとこれらの異常構造体は細胞基質中に消失した。無被膜nucleocapsidは粗面小胞体に近接し,細胞質に出現した。最初ばらばらに突出した各nucleocapsidは出現部位にて10∼55本程度集合し,直線状積層配列を示す集塊を形成した。感染細胞質には凝集状グリコーゲン顆粒と巨大なリピット塊が認められた。