1976 年 20 巻 4 号 p. 191-197
ツマグロヨコバイによって媒介されるイネ萎縮病の発病がカルタップの育苗箱処理によって抑制される機作として,
1. 保毒虫に対する殺虫作用
2. 保毒虫の媒介行動に対する抑制
3. 植物体中での萎縮病の発病に対する直接の作用の3つが考えられるので,それぞれの可能性を保毒虫を使って実験的に解析した。
その結果,カルタップはツマグロヨコバイに対して速効的に殺虫作用を示すこと,および,sublethal doseによってツマグロヨコバイの萎縮病媒介行動を鈍らせることが明らかになった。
しかし,カルタップがイネ体内での萎縮病の発病に対して直接に作用する可能性は少ない。