1977 年 21 巻 2 号 p. 74-78
各種厩肥中に生息する3種の中気門類ダニに対し,給餌(線虫)量と投与回数を制限した場合のダニ増殖率およびステージ別構成比率の変化につき調べた。
M. muscaedomesticae雌成虫は培地に線虫を加えると繁殖し,給餌後短期間で密度を高めたが,日数の経過と共に雌成虫の比率が高まった。
P. gregariusでは培地に線虫を加えると,第2若虫は成虫化し,繁殖が認められたが,高密度に達した後,第2若虫主体の構成となった。
U. marginataは線虫なしでも繁殖したが,線虫給餌回数が多いほど増殖率は高まった。本種の個体群構成は,給餌回数が多い場合第2若虫および第1若虫が,少ない場合第1若虫が,それぞれ比率を高めた。また,これら発育の遅延した若虫は,線虫給餌後高率に成虫化した。