抄録
1) 家蚕幼虫の中腸および消化液中に存在する赤色螢光性たんぱく質(RFP)と家蚕核多角病体ウイルス(NPV)との間で特異な沈降反応がみられた。すなわち,RFPとNPVを毛細管重層法を用いて接触させると界面に白色環を,また凝集板上で混合すると白色沈澱が生じた。この反応の至適pHは7.5∼8.5であった。
2) RFPは家蚕軟化病ウイルス(FV)とも沈降反応をおこしたが,tabacco mosaic virus (TMV), Autographa carifornia virus (AcNPV)とは反応しなかった。また核多角体たんぱく,アルブミン,ヒストンのようなタンパク質とも反応しなかった。