日本応用動物昆虫学会誌
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ナシを加害する鳥取産休眠性ミカンハダニ越冬卵の産卵時期とふ化時期
内田 正人真梶 徳純
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1980 年 24 巻 1 号 p. 18-23

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抄録
休眠性ミカンハダニの越冬卵の産卵時期やふ化時期を予察するために鳥取産のナシ寄生のものについて調査した。
1. 越冬卵の産卵場所は若年枝の基部や分岐部,短果枝のしわ,粗皮,誘引ひもなどであった。
2. 越冬卵は9月上旬より産卵され始め,10月下旬にはほぼ終了した。産卵の最も多い時期は9月下旬であった。
3. ミカンハダニが優占的に寄生する樹における9月下旬の葉当たり成虫数と短果枝(花芽)に産卵される越冬卵数との間には有意な正の相関関係が認められた。
4. 越冬卵のふ化時期は3月上旬以降の気温が有効に作用し,3月上旬∼4月上旬の最高気温または平均気温と3月31日を起算日としたふ化日との間に直線回帰式が得られた。
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