日本応用動物昆虫学会誌
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モモノゴマダラノメイガのコーリング時刻決定に及ぼす重水と光強度の影響
金子 順一
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1987 年 31 巻 1 号 p. 17-22

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抄録
1) CRESPI and KATZ (1961)の分光学的方法と,新たに考案した微量(約1μl)血液用の毛細管セルを組み合わせ,モモノゴマダラノメイガ雌成虫の血中重水濃度を測定した。この方法によると,30%重水を羽化後与え続けると羽化後2日以降,血液中重水濃度に大きな変動はなく,羽化後14日で約13%となった。
2) 22°C, 15L-9D(明期の照度は固定し,暗期として約1, 10, 60μW/cm2の3段階の赤色光を使用)の条件下で,血液中重水濃度とコーリング時刻(φr)との間にはほぼ比例関係がみられた。血液中重水濃度10%当りのφrの増加は,暗期として使用した赤色光の強度によって異なり,約1μW/cm2の区で20.7分,約10μW/cm2の区で21.4分,約60μW/cm2の区で27.7分であり,前2者と約60μW/cm2の区との間には10%の危険率で有意差がみられた。
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