日本応用動物昆虫学会誌
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京都府におけるムギアカタマバエの発生消長と加害状況
片山 順福井 正男佐々木 博之
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1987 年 31 巻 1 号 p. 46-50

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抄録

京都府におけるムギアカタマバエ成虫の発生消長とコムギ穂内での幼虫の加害状況を明らかにするため,1983年から3年間,コムギの生育ステージあるいは気象条件との関連性に焦点をあてて調査し,以下の結果を得た。
1) 成虫の初発生日と最盛日は,コムギ品種「農林61号」の出穂期と開花最盛期とにそれぞれほぼ一致した。
2) 卵は数日でふ化し,幼虫は1∼2齢期を約10日間で経過し,加害を続けながら,3齢に到達する。
3) 産卵は集中して行われ,穂の上部から3分の1ぐらいの小穂に位置する子実に産卵数が多い。
4) 幼虫の穂脱出現象はコムギ成熟期における降水量と深くかかわり,連続降雨時には幼虫の脱出が盛んであることが確認された。

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