日本応用動物昆虫学会誌
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ウバタマコメツキCryptalaus berus (CANDÈZE)の幼虫の生活場所と発育
江崎 功二郎
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1994 年 38 巻 4 号 p. 255-259

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抄録

マツノマダラカミキリの捕食性天敵として知られるウバタマコメツキの幼虫について生息場所や発育などを調査して,天敵としての重要性と脱皮の意義について考察した。
1) 生息環境の野外調査により,本種の幼虫は枯死してから1年以上経過したマツ類の幹の下部に,おもに生息することが明らかになった。これはマツノマダラカミキリの幼虫の生息環境とは異なり,密度軽減に影響する天敵としての役割りはほとんど果たしていないと考えられた。
2) 幼虫の飼育を継続して行った結果,体重や体サイズの増大をともなわない脱皮を行うことが明らかとなり,脱皮は体重や体サイズの増大以外の意義があることが示唆された。

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