日本応用動物昆虫学会誌
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リンゴ園における害虫類の発生予察
第6報 モモシンクイガ越冬幼虫の生殖巣の発達
津川 力山田 雅輝白崎 将瑛小山 信行
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1964 年 8 巻 2 号 p. 111-117

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抄録
モモシンクイガ第1回成虫の出現時期の予察上基礎となる幼虫の休眠覚せい時期を知るため,生殖巣を観察し,つぎの結果をえた。
1. 休眠幼虫の精巣は俵状で一般に4小胞から成る。
2. 休眠中には精巣の発育が見られず,最も発達した精子細胞は減数分裂直前の段階で休止している。
3. 休眠の覚せい後は精巣の発育開始とともにシストの形成が行なわれ,減数分裂が始まる。
4. 冬まゆより脱出直後は精子束が形成される前後の状態にある。
5. 黒石産と五戸産休眠幼虫の間には精巣の大きさおよび内部形態の発育段階に差は見られないが,加温後生殖巣の発育開始までの期間に長短の差がある。
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