日本応用動物昆虫学会誌
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トビイロウンカの産卵について
第2報 卵塊卵粒数と産卵能力との関係
持田 作
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1964 年 8 巻 2 号 p. 141-148

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抄録
本種の卵は植物の組織中に縦に1列に卵塊をなして産下される。幼苗に産下された1卵塊当りの卵粒数は1∼19であった。これに対し生育した稲の葉身に産下された場合は1∼42であって,その卵塊の大きさの分布は正規型よりはひずみを示した。卵塊の大きさは翅型によって著しく相違することはなかった。幼苗を与えた場合,産卵数は飼育温度によって非常に変化するが,卵塊の大きさは変化しなかった。従って産卵植物として従来一般に供試されてきた幼苗を使用する限りでは,卵塊の大きさから個体群の産卵能力を判断することは困難であるように考えられる。1卵塊当りの卵粒数(x-1)の分布の理論的な分布型へのあてはめについては別に検討する予定である。
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