2006 年 10 巻 1 号 p. 84-91
訪問看護ステーションの利用者の死亡にかかわる要因を検討するために,2002~2004年まで追跡調査を行った.対象者は,調査に同意した訪問看護ステーションの利用者212名であった.
死亡要因をコックスの比例ハザードモデルを用いて,性,年齢,認知症,訪問リハビリサービスの利用,看護提供内容のうち在宅酸素療法の管理等を説明変数とし分析した.その結果,認知症利用者の死亡の危険度は,ない者に比べて2.11倍(95%信頼区間;CI,1.03-4.35)であった.また,看護提供内容の在宅酸素療法を管理されている者の死亡の危険度は,管理されていない者に比べて3.54倍(95% CI,1.47-8.55)であったこのことから,利用者の死亡要因は,認知症の有無,在宅酸素療法管理の有無が有意に関連していることが示唆された.