本研究の目的は,利用者と家族介護者の両者を対象にデイサービスに対する総合的満足度に関連する要因を明らかにすることにある.分析対象は,デイサービスを利用している利用者103人と家族介護者119人であり,利用者には面接聴取法で,家族介護者には自記式郵送法で調査を実施した.総合的満足度に影響を与えると予測される要因としては,利用者と家族介護者に共通するものとして「プログラムの各要素に対する満二度」(送迎,リクリエーションなど8項目)を,また,独自の要因として利用者については「家族介護志向」と「コーピング」を,家族介護者については「介護負担感」を取り上げた.分析の結果,①デイサービスに対する総合的満二度とプログラムの各要素の満足度との相関は,利用者と家族介護者のいずれについてもすべて有意であったが,「送迎サービス」に対する満足度と総合的満足度との相関については利用者のほうが家族介護者よりも有意に高かった.②利用者の総合的満足度は「家族介護志向」と有意に関連していたが,家族介護者の総合的満二度と「介護負担感」との関連は有意ではなかった.