訪問開始時期の看護活動を調べることを目的に,166人の看護師が172人の脳血管障害者に対し初回訪問から2か月間に実施している内容を分析した.看護師の訪問看護経験は平均6.9年(±3.6),脳血管障害者の平均年齢は73.9歳(±12.8),介護度は平均3.9(±1.1)であった.
短期目標は再発予防,拘縮予防,合併症予防の立案が多く,実施内容は観察・評価・調整,教育・指導,精神的支援,リハビリテーションの頻度が高かった.これらは介護度により異なった.要介護3と4の目標はADLの維持(p<.01)が,実施は座位訓練(p<.05),立位訓練(p<.01),社会的交流支援(p<.01),精神的支援の6項目(p<.05~.001)が高かった.要介護5は排泄,清潔,家族支援が高かった.看護師は利用者に【結びつきを創る】【苦痛を緩和する】【即座に対応する】【意志決定を支える】の4要因(累積寄与率52.38%)からなる「気づかい」をしていた.
訪問開始時期の看護は,①健康状態の維持と廃用症候群の予防,②専門職として信頼を得ること,利用者の意志決定に添うことに配慮した利用者・看護師関係をつくる「気づかい」からなっていた.
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