2008 年 11 巻 2 号 p. 49-56
近年,介護支援専門員の精神的健康やバーンアウト等に関する研究により,その低い精神的健康とその要因が報告されている.しかし,介護支援専門員のメンタルヘルスおよびジョブストレスとケアプラン評価との関連性を調査した研究はほとんどない.このため,今回研究は,これらの実態を調査し,その関連性を検証することを目的した.「精神健康パターン診断検査」の結果において,介護支援専門員のSCL得点平均値は基準値より高く,QOL得点平均値は低いことを示した.さらに,「職場ストレッサー尺度,ストレス反応尺度」の結果においては,「過度の負担」「過度の圧迫」(量的負荷ストレッサー)を強く感じ,「抑うつ」「疲労」のストレス反応が高い傾向が示唆された.さらに,ケアプラン自己評価とは,「役割不明瞭」「能力の欠如」(質的負荷ストレッサー)と有意な負の相関を示した.以上のことから,介護支援専門員は,メンタルヘルスが低く,量的負荷を強く感じる傾向にあるが,ケアプラン自己評価は,質的負荷との関連性が大きいことが示唆された.