2010 年 13 巻 2 号 p. 77-84
本研究の目的は,要支援高齢者65 人(男性8 人,女性57 人)を対象に,基本チェックリストと神奈川県モニタリング実践評価項目の関連から支援のポイントを考察することである.その結果,基本チェックリストにおける介護予防プログラム6 領域中5 領域(運動器の機能,栄養改善,閉じこもり予防,うつ予防,もの忘れ予防)と日常生活動作17 項目中10 項目(食事摂取について,失禁,上着の着脱,ズボン・パンツの着脱,両足のついた座位,立ち上がり,歩行,移乗,屋内移動方法,屋外移動方法)に順位相関を確認した.以上の結果は,要支援高齢者の生活機能の特徴として,活動量の低下,運動器の機能低下,栄養改善のリスク,口腔機能の低下,週に1 回の外出がある,もの忘れのリスク,うつのリスクが示された.さらに失禁のケアは閉じこもりとうつ状態を改善する糸口であることが示唆された.