日本在宅ケア学会誌
Online ISSN : 2758-9404
Print ISSN : 1346-9649
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群馬県の訪問看護ステーションにおける東日本大震災後の災害対策に関する実態調査
福島 昌子飯田 苗恵鈴木 美雪牛久保 美津子
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2014 年 17 巻 2 号 p. 60-68

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抄録

本研究の目的は,群馬県の訪問看護ステーションにおける東日本大震災前の災害対策と発生後の対応を明らかにし,課題を検討することである.県内92 施設の管理者を対象とし,郵送法による自記式質問紙調査を実施し,記述統計および質的帰納的に分析した.有効回答は34 人(37.0%),職員数は常勤換算にて平均4.9 人,災害研修会の参加は約5 割であった.発災前,災害マニュアル作成は約6 割,利用者・家族への指導は5 割以下,災害対策の視点からの連携は2 割以下であった.発災後,職員の安否確認は約7 割,利用者の安否確認は約5 割実施できていた.計画停電への対応は約6 割,交通手段の確保困難が約9 割,連携は約8 割であった.課題として,①医療機器使用者への災害対策指導の強化,②災害発生時の指揮系統や役割分担表等の活用できる災害マニュアルの作成,③災害マニュアル作成過程での利用者・家族,他機関との連携,④優先車両としてガソリンが確保できる制度の浸透等であった.

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© 2014 一般社団法人日本在宅ケア学会
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