2015 年 18 巻 2 号 p. 37-45
本研究の目的は,訪問看護師の職務継続意向に関連する要因を,個人属性および働く喜びに焦点をあてて,明らかにすることである.北海道の訪問看護ステーションで訪問看護に従事する,管理者を除いた常勤・非常勤看護職を対象に自記式質問紙調査を行い,対象者437人のうち252人から回答が得られ,回収率は57.6%であった.訪問看護師の職務継続意向と有意な関連がみられた項目は,個人属性では「訪問看護の経験年数が2 年以上」の1 項目,働く喜びでは,働く喜び総合の「私は訪問看護師として働くことに喜びを感じている」ほか,自律性1 項目,関係性・連帯2 項目,有能感2 項目,達成感・成長2 項目で有意な関連がみられた.予測した看護を行うこと,職場の人間関係がよいこと,よい看護ができている実感と自信,成長の機会などが,職務継続に関連していることが示唆された.