本研究は,訪問看護師の職場継続支援方略を検討するために,現職訪問看護師の職場継続意志,訪問看護師継続意志,看護師継続意志の現状および関連要因を明らかにすることを目的とした.2007 年にA 県内訪問看護師を対象に無記名自記式質問紙調査を実施し,管理者を除いた82 人を本研究の分析対象とした.調査内容は職場継続意志,訪問看護師継続意志,看護師継続意志,仕事満足度,職場内対人葛藤,職場内ソーシャルサポート,社会的スキル,アサーティブネス,基本的背景であった.ステップワイズ重回帰分析を用いて職場継続意志の関連要因を検討した.その結果,職場継続意志には仕事満足度,訪問件数,対人葛藤,社会的スキルが関連していた.訪問看護師の職場継続を支援するために,管理者は,訪問看護師の仕事満足度を高めること,社会的スキルを高める機会を設けること,職場内の対人関係や訪問件数を調整することが重要である.
本研究の目的は,訪問看護師の職務継続意向に関連する要因を,個人属性および働く喜びに焦点をあてて,明らかにすることである.北海道の訪問看護ステーションで訪問看護に従事する,管理者を除いた常勤・非常勤看護職を対象に自記式質問紙調査を行い,対象者437人のうち252人から回答が得られ,回収率は57.6%であった.訪問看護師の職務継続意向と有意な関連がみられた項目は,個人属性では「訪問看護の経験年数が2 年以上」の1 項目,働く喜びでは,働く喜び総合の「私は訪問看護師として働くことに喜びを感じている」ほか,自律性1 項目,関係性・連帯2 項目,有能感2 項目,達成感・成長2 項目で有意な関連がみられた.予測した看護を行うこと,職場の人間関係がよいこと,よい看護ができている実感と自信,成長の機会などが,職務継続に関連していることが示唆された.
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