日本在宅ケア学会誌
Online ISSN : 2758-9404
Print ISSN : 1346-9649
研究
地域高齢者と在宅保健師の社会参加活動の継続要因
太田 尚子古川 照美笹森 佳子
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 21 巻 1 号 p. 76-84

詳細
抄録

本研究の目的は,高齢者と在宅保健師が地域活動を共に継続できている要因について明らかにすることである.研究対象者は,参加住民である高齢者14 人,在宅保健師6 人への半構造化面接による質的帰納的研究である.研究の結果,両者各9 カテゴリーが抽出された.参加住民のカテゴリーは「個人要因」「環境要因」「体制要因」に分類され,在宅保健師は,「在宅保健師の活動の場のとらえ方」「在宅保健師としてのかかわり・役割」に分類された.参加住民と在宅保健師と重複するカテゴリーが抽出されたことから,両者の関係は対等なパートナーシップであると考えられた.また,協働活動のなかで,個人のエンパワメントを高め合い,相互作用のプロセスを創成し,コミュニティの力を発揮できる条件や環境をつくることにより,住民主体の地域づくりへつながっていた.そこにコミュニティ・エンパワメントが成立し,それが原動力となって活動が継続していると考えられた.

著者関連情報
© 2017 一般社団法人日本在宅ケア学会
前の記事
feedback
Top