日本在宅ケア学会誌
Online ISSN : 2758-9404
Print ISSN : 1346-9649
研究
訪問看護ステーション管理者が新卒看護師に望む在宅看護実践力と採用意向との関連
宇多 みどり加利川 真理片倉 直子
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2019 年 22 巻 2 号 p. 72-81

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抄録

本研究は,訪問看護ステーション(以下,ステーション)管理者が新卒看護師に望む在宅看護実践力と採用意向との関連を明らかにすることを目的とし,A県498か所のステーション管理者に,郵送による自記式質問紙調査を行った(回収率34.1%,有効回答数168件).内容は,在宅看護実践力(基本姿勢と態度,利用者に即した看護実践等の計73項目)の到達度と採用意向で,分析はχ2検定を用いた.結果,採用意向のない管理者は意向のある管理者よりも,在宅看護実践力73項目中40項目において,到達を望む割合が有意に高かった.利用者おのおのに即した看護実践32項目中では,「急激な状態変化にある利用者に治療が及ぼす影響について理解できる」等の25項目において同様の結果を認めた.採用意向のある管理者は,「学生が自己課題に向けて自主的に学習ができる」ことを望む割合が高かった.看護基礎教育での在宅看護実践力における到達目標の検討の必要性が示唆された.

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© 2019 一般社団法人日本在宅ケア学会
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