目的:地域在住の前期および後期高齢者の食生活リテラシーや食に関する地域活動,栄養士への期待が,食行動に及ぼす影響について明らかにする.
方法:1970 年代に整備された大規模住宅団地に居住する65 歳以上の高齢者274 人を対象として質問紙調査を行った.食行動の測定にはFood Frequency Questionnaire Based on Food Groups(FFQg 4.0)から11 項目を用いた.
結果:食行動に影響する要因は前期および後期ともに食生活リテラシーの高さであった.前期高齢者では家族内に要介護者がいることが食行動を低下させ,逆に町内の食事会への参加は食行動を高めていた.後期高齢者では栄養士と共に料理教室等を企画し取り組むことへの期待の強さが関連していた.
結論:地域高齢者の食支援には高齢者と共に栄養士が活動することで食生活リテラシーを高め,食行動の改善につながることが示唆された.