2019 年 23 巻 1 号 p. 63-73
研究の目的は,パーキンソン病患者の視点から,重症度の進行に対応したホームエクササイズの継続要因を探索することである.対象者は,Hoehn-Yahr Stage Ⅱ〜Ⅳの在宅パーキンソン病患者13 人であった.半構造的インタビュー後に,Steps for Coding and Theorization を用いて,ホームエクササイズの継続を促進または阻害する要因を探索した.この結果,21 個の促進要因と9 個の阻害要因が抽出され,それぞれはStageⅡ〜Ⅳの全過程にて抽出された要因と,進行過程の自立レベルにて抽出された要因,さらに介助レベルにて抽出された要因に分類できた.健常高齢者の運動習慣構築や要支援・要介護者の家庭運動に影響する要因との比較から,【患者自身のパーキンソン病に関する理解】と【セルフケアと運動を組み合わせて実施すること】,および介助が必要となった場合の【体の動きの良いときを選んで実施すること】が本研究対象者に特異的な促進要因であることが示された.