2020 年 23 巻 2 号 p. 45-54
本研究の目的は,訪問看護師の職場継続意思に関連する要因を明らかにすることである.東海地方の訪問看護ステーションに1 年以上所属する管理者以外の訪問看護師726 人に郵送法無記名自記式質問紙調査を実施した.分析対象は389 人(有効回答率53.6%)である.職場継続意思と職場環境,職務内容,待遇等との関連を重回帰分析で検討した.関連項目は「仕事への肯定的認識」(p < 0.001),「上司との関係」(p < 0.001),「訪問看護師としての能力を発揮しているという‘やりがい’」(p = 0.001),「訪問看護で行う判断の負担感」(p < 0.05)であった.訪問看護が役立っているという意識や専門職としての自覚は,訪問看護師の働く意欲となっていた.一方で,訪問中に判断を求められることに対し負担感を感じていた.負担感を軽減し,意欲をもち継続して働くには,職場の上司から適切な指導や承認を得られることが重要であると示唆された.