目的:訪問看護師がどのような出来事を,「利用者の安全にかかわる出来事(patient safety incidents;PSI)」と認識し,訪問看護ステーション(ST)へ報告しているかを明らかにする.
方法:関東圏内の訪問看護師15 人を対象とし,半構造化面接による質的記述的研究を実施した.
結果:【利用者の状態に直接的な害となること】または【利用者の状態に直接的な害となる可能性があること】が発生した場合,それをPSI と認識していた.訪問看護師がPSI と認識した事例は,《事故》《インシデント》《事故・インシデントではないPSI》の3 つの形態のいずれかで報告され,報告形態の選択には,PSI の〈行為者〉〈発生場面〉〈起きた内容の重大性〉〈影響の重大性〉〈発生回避の障壁〉の5 つの視点が考慮されていた.
結論:訪問看護領域でのPSI の情報を標準化して集積するには,3 つの形態による分類が必要であり,5 つの視点がその分類基準となる可能性がある.
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