日本在宅ケア学会誌
Online ISSN : 2758-9404
Print ISSN : 1346-9649
研究
訪問看護経験5年以下の訪問看護師が経験した利用者の社会保障制度の活用を支援するうえでの問題:内容分析
岩﨑 弓子小玉 淑巨西岡 真実加藤 里沙子深堀 浩樹
著者情報
ジャーナル フリー

2020 年 23 巻 2 号 p. 55-62

詳細
抄録

目的:訪問看護師が経験した利用者の社会保障制度の活用を支援するうえでの問題を明らかにする.

方法:内容分析を用いた質的記述的研究である.社会保障制度の理解不足が利用者のケアに影響した事例などについて,訪問看護経験6 か月〜5 年の12 人の看護師に半構造化面接を行った.

結果:【入職後早期には基本的な制度に関する知識がわからない】【利用者の生活を支える制度の全体像が把握できない】【制度の活用を支援して利用者の生活を適切にマネジメントできない】【リアルタイムに必要な情報を得ることができない】【主体的に学習に取り組むことが難しい】の5 カテゴリーが抽出された.

結論:訪問看護師の利用者の社会保障制度の活用を支援する能力を向上させるには,入職後早期に利用者のケアと社会保障制度の知識を関連づける教育の提供,事業所内で指導や助言を得られる環境の整備,事業所内外の段階的・体系的な教育の構築が効果的と考えられた.

著者関連情報
© 2020 一般社団法人日本在宅ケア学会
前の記事 次の記事
feedback
Top